袈裟をかぶった猫が、夜の町を歌いながら歩く創作イメージ

妖怪 ・地域伝承

猫又
袈裟をかぶり
夜の町で歌う猫

ネコマタ

島根県

寺の飼い猫が猫又になり、袈裟をかぶって夜の町を歌い歩く。日文研の公開カードが伝える出雲の一話を、短い再話と出典の解説でたどります。

代表的な物語

物語

昔、ある寺に一匹の飼い猫がいました。その猫が、猫又ねこまたになったといいます。

夜になると、猫は袈裟けさをかぶって町へ出かけました。袈裟をまとった猫は、町の中を歩きながら歌を歌いました。

けれども、猫はやがて寺から追い出されてしまいました。それから四、五日たったころ、寺の裏の池で猫の死骸が見つかりました。見つかったのは、袈裟をかぶり、夜の町で歌って歩いた、あの猫だったといいます。

概要

猫又は、この話では寺の飼い猫が変じた存在です。夜に袈裟をかぶり、町で歌って歩きます。国際日本文化研究センター「怪異・妖怪伝承データベース」の猫又カードには、年を重ねた飼い猫が猫又になるという言い伝えと、この寺の猫の話が収録されています。

カードの地域欄は島根県松江市です。ここでは、その公開要約で確認できる一話を紹介しています。猫又にまつわる各地の話を一つにまとめたものではありません。

現代語解説

猫又は、どのような存在か

この一話の猫又は、寺で飼われていた猫です。飼い猫が変化したあとに、人のように衣をまとい、歌って歩くことが、話の中心となっています。

参照カードは、年を重ねた猫が猫又になるという言い伝えを紹介しています。ただし、何歳になると変わるのか、どのような姿になるのかまでは示していません。すべての飼い猫がそうなるという現実の動物の説明としては扱いません。

袈裟をかぶって歌う猫

袈裟けさは僧侶が身にまとう衣の一つです。寺の猫がそれをかぶって町へ出る場面には、身近な動物と人の暮らしの境が揺らぐ不思議さがあります。これは話の読みどころを示す解説であり、猫の心情や、歌う目的を確定するものではありません。

池で見つかった猫

話は、寺から追い出された猫が、四、五日後に裏の池で死骸となって見つかるところで終わります。参照した公開要約からは死因までは分かりません。誰かが猫を殺した、猫が祟った、といった結末は加えていません。

深く知る

出典を確かめる

本文中の説明ごとに、根拠となる資料と該当箇所を示します。

史料記録

国際日本文化研究センター「怪異・妖怪伝承データベース」猫又(0640028)

公開カードで確認できる寺の猫の変化、夜の歌、追放、四、五日後の発見を短く再話しました。カード記載の原資料は清水兵三「出雲雑記」『郷土研究』1巻7号、1913年、該当57頁です。原誌本文は未閲覧で、直接の根拠は公開カードに限ります。寺名、歌詞、死因は確認できません。
  1. 公開カードの要約・書誌・地域欄(S01/SRC-0013)。2026年10月27日確認。怪異・妖怪伝承データベース 猫又(0640028)事実要約可/事実の確認と独自の短い要約に限定

史料記録

コトバンク「袈裟」ブリタニカ国際大百科事典小項目事典

「けさ」の読みと、僧侶がまとう衣という一般的な語義の確認に用いました。猫又の物語の出典ではありません。
  1. 「袈裟」の読みと一般語義(S02/SRC-0014)。2026年10月27日確認。袈裟(ブリタニカ国際大百科事典小項目事典)事実要約可/事実の確認と独自の短い要約に限定

画像を拡大表示