杉木立と霧に包まれた山中に現れる九つの頭を持つ龍の幻想的なイラスト

土地神

戸隠の九頭龍

長野県

江戸時代の『武江年表』に残る、戸隠の九頭龍権現の開帳記録を紹介します。

代表的な物語

物語

戸隠とがくしの名が、山を遠く離れた江戸の町に現れたのは、宝暦ほうれき五年(一七五五)三月十六日のことです。深川永代寺ふかがわえいたいじで、信州戸隠明神九頭龍権現しんしゅうとがくしみょうじんくずりゅうごんげんの開帳かいちょうが始まりました。その名は、この日の出来事として『武江年表ぶこうねんぴょう』に書き留められています。

年表の記録は、そこで筆を止めません。開帳に続いて、神楽かぐらを舞う巫女みこが人びとの評判になったことや、踊り子を指す言葉をめぐる話まで記されました。戸隠の九頭龍権現は、山の名としてだけでなく、江戸の人びとが目にする開帳の場と、その場で交わされた話題とともに記録へ現れたのです。

それから五十年以上の時が流れました。文化ぶんか八年(一八一一)三月十六日、同じ深川永代寺で、再び信州戸隠明神九頭龍権現の開帳があったと記されます。宝暦と文化、異なる時代の同じ日に、同じ場所と同じ名が並びました。一度きりの出来事ではなく、戸隠の九頭龍権現がふたたび江戸の記録に姿を見せたのです。

『武江年表』が伝えるのは、龍の姿や戸隠での創建、現在の祭祀さいしではありません。伝わるのは、九頭龍権現の名が戸隠から江戸へ届き、開帳によって人びとの前に置かれた二つの日の記憶です。短い記録をたどると、九頭龍は山に閉じた存在ではなく、時を越えて町の中にもその名を現した神として、静かに立ち上がってきます。

概要

戸隠とがくしの九頭龍くずりゅうは、江戸時代の『武江年表ぶこうねんぴょう』に「信州戸隠明神九頭龍権現しんしゅうとがくしみょうじんくずりゅうごんげん」として現れます。本記事では、神社の解説ではなく、国立国会図書館デジタルコレクションで公開される記録に範囲を限って紹介します。

登場する神

どのような神なのか、物語での役割や司るものを出典に沿って紹介します。

九頭龍権現くずりゅうごんげん

戸隠の名を伴い、江戸で開帳された信仰の対象です。『武江年表』の記録は開帳の出来事を伝えるため、ここから水・雨・豊穣などのご利益までは確定できません。
出典:武江年表 五巻

現代語解説

戸隠とがくしの九頭龍くずりゅうは、江戸時代の『武江年表ぶこうねんぴょう』に「信州戸隠明神九頭龍権現しんしゅうとがくしみょうじんくずりゅうごんげん」として記録されます。宝暦ほうれき五年(一七五五)と文化ぶんか八年(一八一一)の項は、深川永代寺ふかがわえいたいじでの開帳かいちょうを記します。

本記事は、国立国会図書館デジタルコレクションで公開される該当箇所がいとうかしょを独自に要約したものです。龍の姿、戸隠での創建、現在の祭祀さいしについては、この史料の範囲を超えて説明しません。画像も史料・現地写真ではありません。

深く知る

出典を確かめる

本文中の説明ごとに、根拠となる資料と該当箇所を示します。

史料記録

宝暦五年の江戸での開帳記録

『武江年表ぶこうねんぴょう』宝暦五年三月十六日の項は、深川永代寺ふかがわえいたいじで「信州戸隠明神九頭龍権現」の開帳が始まったと記す。
  1. 五巻・宝暦五年三月十六日・13コマ武江年表 五巻事実要約可/著作権保護期間満了の原典(本文は転載せず独自要約)

史料記録

文化八年の記録

『武江年表ぶこうねんぴょう』文化八年三月十六日の項にも、永代寺えいたいじでの「信州戸隠明神九頭龍権現開帳」が記される。
  1. 八巻・文化八年三月十六日・25コマ武江年表 八巻事実要約可/著作権保護期間満了の原典(本文は転載せず独自要約)

神の説明

九頭龍権現

戸隠の名を伴い、江戸で開帳された信仰の対象です。『武江年表』の記録は開帳の出来事を伝えるため、ここから水・雨・豊穣などのご利益までは確定できません。
  1. 宝暦五年三月十六日・深川永代寺の開帳(コマ13)武江年表 五巻事実要約可/著作権保護期間満了の原典(本文は転載せず独自要約)

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