物語 ・近世資料
立山曼荼羅
タテヤママンダラ
立山曼荼羅を、立山信仰の世界を描く複数の掛軸式絵画として紹介します。
代表的な物語
物語
越中の国司・佐伯有若の子、有頼は、父が飼う白鷹を連れて狩りに出ました。ところが白鷹は空へ舞い上がり、有頼はそのあとを追って山へ入ります。白鷹が岩に止まったとき、茂みから熊が現れました。有頼は熊へ矢を放ち、逃げる熊と白鷹を追って山奥へ進みました。
やがて有頼は、玉殿の岩屋と呼ばれる洞窟にたどり着きます。洞窟の中には熊のかわりに阿弥陀如来と不動明王が立ち、阿弥陀如来の胸には有頼の矢が刺さっていました。有頼は白鷹と熊が仏の化身だったと知り、みずからを責めます。
しかし仏は、有頼に立山を開き、人びとを導くよう告げました。有頼は出家して慈興と名を改め、山の麓に居を構えます。そして人びとが立山へ登れるようにしたと伝えられます。
やがて有頼は、玉殿の岩屋と呼ばれる洞窟にたどり着きます。洞窟の中には熊のかわりに阿弥陀如来と不動明王が立ち、阿弥陀如来の胸には有頼の矢が刺さっていました。有頼は白鷹と熊が仏の化身だったと知り、みずからを責めます。
しかし仏は、有頼に立山を開き、人びとを導くよう告げました。有頼は出家して慈興と名を改め、山の麓に居を構えます。そして人びとが立山へ登れるようにしたと伝えられます。
概要
立山曼荼羅は、越中立山の山岳信仰が描き出した掛軸式の絵画群です。山の景観を背景に、立山開山縁起、地獄と来迎、参詣者や山麓の場が一つの画面へ置かれます。本項目は、有頼が白鷹と熊を追って阿弥陀如来に出会う開山伝説を、異伝を保った物語として紹介します。
登場する神
どのような神なのか、物語での役割や司るものを出典に沿って紹介します。
刀尾天神
立山の開山縁起の一系統で、白鷹の正体とされる神です。白鷹を不動明王の化身とする系統もあるため、説を混ぜずに紹介します。
出典:立山開山縁起に関する覚古 現代語解説
立山曼荼羅は、一枚の絵の中に山、道、異界、救いの場面を並べることで、立山をめぐる信仰の世界を見せる絵画です。有頼が白鷹と熊を追う場面、熊が阿弥陀如来の化身だと知る場面は、開山縁起の核として絵の中へ描き込まれました。
ただし、立山開山縁起は一つの固定した本文ではありません。研究では、開山者を有頼ではなく父の有若とする系統、白鷹を追う話と熊を追う話の関係、白鷹が不動明王や刀尾天神の化身となる系統が確認されています。この記事では、立山博物館の絵解き解説に示される有頼の筋を代表例とし、すべての縁起に共通する唯一の出来事とはしません。
立山曼荼羅は、山の自然をただ写した景観画ではありません。開山の由緒、苦しみの場と救いの場、山へ向かう人の行為が、一つの画面に重なっています。現存する作品の画像は転載せず、各所蔵先が示す利用条件に従うべきです。
深く知る
出典を確かめる
本文中の説明ごとに、根拠となる資料と該当箇所を示します。
伝承
有頼の開山伝説
立山博物館の絵解き解説では、有頼が白鷹と熊を追い、洞窟で熊が阿弥陀如来の化身だと知り、出家して慈興と名を改め立山を開いたと説明される。
- 立山曼荼羅 絵解き解説/立山開山伝説立山曼荼羅 絵解き解説事実要約可/本文・画像を転載せず独自要約
成立背景
縁起ごとの異同
立山開山縁起には、有頼または有若が山へ入る系統、白鷹と熊の展開が異なる系統があり、単一の固定した物語として扱えない。
- 木本秀樹「立山開山縁起に関する覚古」pp.91–93立山開山縁起に関する覚古事実要約可/本文・画像を転載せず独自要約
異説・解釈
現実の地形図ではないこと
本項目は、曼荼羅に描かれた地獄や来迎を、実在の地形・死後の世界の記録ではなく、信仰の世界観を表す画面として扱う。
- 立山曼荼羅関係資料/資料の主題立山曼荼羅関係資料事実要約可/本文・画像を転載せず独自要約
神の説明
刀尾天神
立山の開山縁起の一系統で、白鷹の正体とされる神です。白鷹を不動明王の化身とする系統もあるため、説を混ぜずに紹介します。
- 91–93頁・開山縁起の系統と白鷹の化身立山開山縁起に関する覚古事実要約可/本文・画像を転載せず独自要約
