朝霧に包まれた入り江の井戸のそばに立つ麻衣姿の人物を描いた、『万葉集』の真間の手児奈の歌をもとにした創作イラスト。

物語 ・古典原典

万葉集の真間の手児奈

マンヨウシュウノママノテコナ

『万葉集』巻九・巻三 千葉県

『万葉集』巻九に詠まれた真間の手児奈。美しい娘子と墓への問いを紹介し、歌に記されていない死因を補わずに読み解きます。

代表的な物語

物語

葛飾かつしかの真間ままに、古くから語り継がれた手児奈てこなという娘子がいました。手児奈は麻衣あさぎぬに青い襟をつけ、麻で織った裳をまとい、髪を櫛で梳らず、沓も履かずに歩きました。飾らない装いでありながら、錦や綾に包まれて大切に育てられた娘も及ばないほど美しく、満月のような顔に花のような笑みを浮かべたといいます。

その姿にひかれた人々は、夏虫が火へ飛びこむように、また湊みなとへ入る船のように、彼女のもとへ集まり言葉をかけました。けれども手児奈は、波音のさわぐ湊の奥の墓に横たわっています。人の命は長くないものなのに、なぜ彼女はここに眠るのでしょう。遠い昔のことが、歌い手にはまるで昨日のことのように思われました。

長歌に添えられた短歌では、真間の井ままのいを見る人が、手児奈はここへ通って水を汲んだのだろうかと思い、彼女を偲びます。

概要

真間の手児奈は、『万葉集』巻九の高橋連虫麻呂歌集の長歌と反歌に詠まれた娘子です。長歌は質素な装いと美しさ、彼女に言葉をかける人々、湊の奥の墓を歌い、反歌は真間の井を見て手児奈を偲びます。歌に記されない死の理由を補わず、二首が残す姿を紹介します。

現代語解説

この記事は、『万葉集』巻九の長歌・反歌に描かれた手児奈を、歌の内容から独自に再話したものです。長歌は墓への問いを残しますが、死因や人々への返事を説明していません。そのため、歌にない悲恋や入水を筋に加えていません。また、歌に描かれた人物像だけから、実在の人物の伝記を確定することもできません。

万葉文化館のデータベースは、歌にある葛飾・真間を現在の千葉県市川市に結び付けています。巻三には山部赤人が手児奈の墓を詠んだ別の歌もありますが、巻九の二首と一続きの出来事にはまとめていません。

登場人物・登場する存在の紹介

手児奈てこなは、『万葉集』巻九の歌に、葛飾の真間で暮らした娘子として描かれる人物です。質素な装いと美しさ、人々が言葉をかけたこと、墓や水を汲んだ井戸への追慕が歌われます。採用した歌は死の理由を明かさないため、悲恋や入水を人物紹介へ加えません。

深く知る

出典を確かめる

本文中の説明ごとに、根拠となる資料と該当箇所を示します。

史料記録

市川市との地名対応

万葉文化館のデータベースは、葛飾の真間を現在の千葉県市川市に結び付けて案内する。
  1. 巻九・1807の関連地名情報万葉百科「巻九・1807」事実要約可/文字情報は出典表示のうえ利用可(独自再話)

概要

登場人物・登場する存在の紹介

手児奈てこなは、『万葉集』巻九の歌に、葛飾の真間で暮らした娘子として描かれる人物です。質素な装いと美しさ、人々が言葉をかけたこと、墓や水を汲んだ井戸への追慕が歌われます。採用した歌は死の理由を明かさないため、悲恋や入水を人物紹介へ加えません。
  1. 巻九・1807/巻九・1808/巻三・431〜432『萬葉集』巻三〜二十(巻九)事実要約可/PDM(独自要約)
  2. 巻九・1807/巻九・1807の関連地名情報万葉百科「巻九・1807」事実要約可/文字情報は出典表示のうえ利用可(独自再話)
  3. 巻九・1808万葉百科「巻九・1808」事実要約可/文字情報は出典表示のうえ利用可(独自再話)

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