海辺で向き合う使者と大国主神、その子どもたちを描いた、国譲りをイメージするオリジナル生成イラスト

物語

国譲り

クニユズリ

『古事記』の「国譲り」節で、天照大神と大国主神がどのように記されるかを、史料の物語としてたどる下書きです。

代表的な物語

物語

高天原たかまがはらで、天照大神あまてらすおおみかみは葦原中国あしはらのなかつくにを誰に治めさせるかを問いました。神々が建御雷神たけみかづちのかみを遣わすことに決めると、建御雷神は天鳥船神あめのとりふねのかみとともに出雲国いずもの伊耶佐小浜いざさのおばまへ降り立ちます。

二神は大国主神おおくにぬしのかみに向かい、葦原中国を天つ神の御子へ譲るかと尋ねました。大国主神は、まず子の八重事代主神やえことしろぬしのかみに聞くよう答えます。呼び戻された八重事代主神は、国を譲ることを承知し、船を踏み傾けて姿を隠しました。

もう一人の子、建御名方神たけみなかたのかみは、建御雷神の前に現れて力を競います。けれど建御雷神に敗れ、諏訪すわまで逃れて、そこから出ないと誓いました。

子どもたちの答えを聞いた大国主神は、葦原中国を譲ることを受け入れます。その代わりに、天つ神の御子が住む大きな宮殿を建ててほしいと願いました。こうして大国主神は国を譲り、建御雷神は高天原へ帰っていきました。

概要

国譲りくにゆずりは、『古事記』の「天照らす大御神と大國主の神」に置かれた物語です。天照大神あまてらすおおみかみの命を受けた使者が、大国主神おおくにぬしのかみに葦原中国あしはらのなかつくにの扱いを問い、大国主神とその子どもたちが応じる筋立てで記されます。本項目は、史料に記された伝承として扱い、歴史上の出来事であったと断定しません。

登場する神

どのような神なのか、物語での役割や司るものを出典に沿って紹介します。

天照大神あまてらすおおみかみ

太陽の神で、高天原を治めます。『古事記』では伊邪那岐命の禊から生まれ、岩戸に隠れると世界が暗くなると語られます。
出典:校註 古事記

大国主神おおくにぬしのかみ

地上の国づくりを担う神です。『古事記』では少名毘古那神と国を整え、国譲りでは天つ神の御子へ国を譲ります。島々そのものを生む伊邪那岐命・伊邪那美命とは、物語の役割が異なります。
出典:校註 古事記

建御雷神たけみかづちのかみ

国譲りの交渉を担い、武力を示す神です。『古事記』では天つ神の使者として出雲へ降り、大国主神に国を譲るか問い、建御名方神との力比べに勝ちます。
出典:校註 古事記

天鳥船神あめのとりふねのかみ

天の鳥船の神で、国譲りの使者として働きます。『古事記』では建御雷神とともに出雲へ降り、事代主神を呼び戻す役目を担います。
出典:校註 古事記

八重事代主神やえことしろぬしのかみ

国譲りで、国を譲ることに同意する神です。『古事記』では大国主神の子として登場し、父に代わって使者への答えを示します。
出典:校註 古事記

建御名方神たけみなかたのかみ

国譲りで、力比べを挑む神です。『古事記』では大国主神の子として建御雷神と争い、敗れて諏訪へ逃れます。
出典:校註 古事記

現代語解説

本項目で扱う関係は、天照大神と大国主神が『古事記』の「国譲り」節に共に登場する、という限定されたものです。天照大神の命を起点とする問いは、建御雷神らの使者を通じて大国主神へ伝えられます。そのため、二者を単純な「対立」や「系譜」とはせず、「国譲りに登場する」という物語上の関係として記録します。

本文は『古事記』の叙述を要約しています。登場する神々や国の扱いを、史料の中で語られる伝承として示すものであり、史実としての出来事の証明ではありません。出雲・諏訪などの地名は物語中の記述として触れるだけで、現代の信仰や地域の説明を追加しません。

深く知る

出典を確かめる

本文中の説明ごとに、根拠となる資料と該当箇所を示します。

伝承

『古事記』の国譲り

『古事記』の「天照らす大御神と大國主の神」内「國譲り」節には、天照大神の命を受けた使者が大国主神に問い、大国主神が応答する筋立てが記される。
  1. 「天照らす大御神と大國主の神」内「國譲り」節(本文相当行535〜540)校註 古事記全文掲載可/著作権保護期間満了・青空文庫収録

神の説明

天照大神

太陽の神で、高天原を治めます。『古事記』では伊邪那岐命の禊から生まれ、岩戸に隠れると世界が暗くなると語られます。
  1. 上巻「三貴子の分治」「天の石屋戸」校註 古事記全文掲載可/著作権保護期間満了・青空文庫収録

神の説明

大国主神

地上の国づくりを担う神です。『古事記』では少名毘古那神と国を整え、国譲りでは天つ神の御子へ国を譲ります。島々そのものを生む伊邪那岐命・伊邪那美命とは、物語の役割が異なります。
  1. 上巻「少名毘古那の神」「國讓り」校註 古事記全文掲載可/著作権保護期間満了・青空文庫収録

神の説明

建御雷神

国譲りの交渉を担い、武力を示す神です。『古事記』では天つ神の使者として出雲へ降り、大国主神に国を譲るか問い、建御名方神との力比べに勝ちます。
  1. 上巻「國讓り」校註 古事記全文掲載可/著作権保護期間満了・青空文庫収録

神の説明

天鳥船神

天の鳥船の神で、国譲りの使者として働きます。『古事記』では建御雷神とともに出雲へ降り、事代主神を呼び戻す役目を担います。
  1. 上巻「神々の生成」「國讓り」校註 古事記全文掲載可/著作権保護期間満了・青空文庫収録

神の説明

八重事代主神

国譲りで、国を譲ることに同意する神です。『古事記』では大国主神の子として登場し、父に代わって使者への答えを示します。
  1. 上巻「國讓り」八重事代主神の返答校註 古事記全文掲載可/著作権保護期間満了・青空文庫収録

神の説明

建御名方神

国譲りで、力比べを挑む神です。『古事記』では大国主神の子として建御雷神と争い、敗れて諏訪へ逃れます。
  1. 上巻「國讓り」建御名方神の力比べ校註 古事記全文掲載可/著作権保護期間満了・青空文庫収録

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