紅葉が舞う架空の山で、赤い衣の女性の影が角のある影へ変わり、遠くに武人の姿が見える劇画的な紙コラージュ風イラスト。

妖怪 ・近世資料

鬼女紅葉

キジョモミジ

中世芸能〜近代説話 長野県

鬼女紅葉を、能・歌舞伎の『紅葉狩』と明治期の霊験記に分け、伝承の重なりとして紹介します。

代表的な物語

物語

戸隠とがくしの山中で、平維茂たいらのこれもちは美しい女性たちの一行に出会いました。女たちは紅葉の下で宴を開き、維茂を座へ招いて酒をすすめます。山の静けさは華やかな酒宴へ変わり、維茂の警戒もゆるんでいきました。

やがて女たちは人の姿を捨て、鬼の姿を現します。鬼は維茂に襲いかかり、維茂は武器を取って立ち向かいました。宴の場はたちまち戦いの場となり、紅葉の山に鬼と武人の姿が浮かび上がります。

別の語りでは、その鬼女は紅葉という名を持っていました。どこから来たのか、なぜ戸隠の山に住むのか、そして人びととどのように関わったのかが語られ、山中の鬼は一人の女の姿へと形を変えていきました。

概要

鬼女紅葉は、長野県戸隠に結び付く鬼の伝承です。能・歌舞伎の『紅葉狩』では平維茂と女性の姿をした鬼の対決が描かれ、後世の『北向山霊験記 戸隠山鬼女紅葉退治之伝』では、その鬼に紅葉という固有名を与えた物語が展開します。異本や地域差があるため、史実の人物や実在の鬼としてではなく、説話・芸能・地域の由緒の重なりとして紹介します。

現代語解説

能の物語では、紅葉はまず美しい女性の側に置かれます。宴の魅力が観客の警戒をゆるめたところで、正体が鬼へ反転する。その変化が、山という境界の不安と、見かけを信じる危うさを生みます。歌舞伎にも受け継がれた、舞台上の変身の物語です。

『北向山霊験記』は、明治期に刊行された後世資料です。解題の序文自体が、複数の異伝を意識しながら「正しい伝」をまとめようとしています。つまり、この資料は古代・中世の出来事をそのまま写した記録ではなく、地域に流通した説話を整理し、由緒として提示した一つの形です。

鬼女紅葉の物語は、鬼を退治して終わる単純な勧善懲悪だけではありません。匿名の舞台上の鬼が、地域の山と結び付き、名を持つ女性の物語へ変わっていく過程そのものが題材です。現在の戸隠の文化や景観を紹介する際は、演目・霊験記・現行の地域案内を別資料として確認します。

登場人物・登場する存在の紹介

平維茂たいらのこれもちは、『紅葉狩』で、山中の女たちの宴に招かれ、のちに鬼と対決する武人です。

鬼女は、初めは美しい女の姿で現れ、後に鬼の正体を見せる存在です。後世の『北向山霊験記』では紅葉もみじという名前を持つ人物の話が展開します。芸能の鬼と、後世の紅葉の由緒は資料の違いを保って紹介します。

深く知る

出典を確かめる

本文中の説明ごとに、根拠となる資料と該当箇所を示します。

再話

紅葉狩の鬼と平維茂

能・歌舞伎の『紅葉狩』では、戸隠の山中で女性の姿をした存在が鬼として現れ、平維茂と対決する。
  1. 文化デジタルライブラリー「紅葉狩」解説紅葉狩事実要約可/本文・画像を転載せず独自要約

書誌情報

北向山霊験記の刊年と異本

『北向山霊験記 戸隠山鬼女紅葉退治之伝』は1886年刊で、複数の語りを踏まえた鬼女紅葉の後世資料である。
  1. NDL PID 881693/ADEAC解題戸隠山鬼女紅葉退治之伝 —北向山霊験記—事実要約可/本文・画像を転載せず独自要約

概要

登場人物・登場する存在の紹介

平維茂たいらのこれもちは、『紅葉狩』で、山中の女たちの宴に招かれ、のちに鬼と対決する武人です。

鬼女は、初めは美しい女の姿で現れ、後に鬼の正体を見せる存在です。後世の『北向山霊験記』では紅葉もみじという名前を持つ人物の話が展開します。芸能の鬼と、後世の紅葉の由緒は資料の違いを保って紹介します。
  1. NDL PID 881693/ADEAC解題戸隠山鬼女紅葉退治之伝 —北向山霊験記—事実要約可/本文・画像を転載せず独自要約
  2. 文化デジタルライブラリー「紅葉狩」解説紅葉狩事実要約可/本文・画像を転載せず独自要約

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