霧の山の峰に鹿が立ち、二つの山道を進む人物が異なる位置に描かれた、伊和大神と播磨国風土記をイメージするオリジナル生成イラスト

土地神 ・古典原典

伊和大神と
『播磨国風土記』

イワノオオカミトハリマノクニフドキ

古代記録 兵庫県

『播磨国風土記』に記される伊和大神の国占めに関わる地名説話を、資料の該当箇所とともに紹介します。

代表的な物語

物語

伊和大神いわのおおかみが国を占めた時、揖保郡いぼぐんの香山里かぐやまのさとでは、鹿が山の峰に来て立ちました。その峰の形も墓に似ていたため、その地はもと鹿来墓かぐはかと呼ばれたといいます。その後、道守臣が宰となった時に、名は香山へ改められました。

別の宇禾郡うかぐん雲箆里うなみのさとの波加村はかむらでは、国を占める時に天日槍命あめのひぼこのみことが先にその地へ着き、伊和大神は後から到着しました。大神はその順序を大いに怪しみ、「思いがけず、先に着いたのか」と告げたといいます。これが波加村という名の由来として語られています。

概要

『播磨国風土記』に記される伊和大神いわのおおかみの国占めを、鹿が峰に立った香山里と、天日槍命あめのひぼこのみことが先着した波加村の二つの地名説話からたどる。

登場する神

どのような神なのか、物語での役割や司るものを出典に沿って紹介します。

伊和大神いわのおおかみ

播磨の土地を占めた神として語られます。『播磨国風土記』では国を占める場面や地名の由来に登場します。大国主神など別の神との同一視は、この記事では断定しません。
出典:播磨国風土記

天日槍命あめのひぼこのみこと

播磨の土地をめぐる物語に登場する神です。『播磨国風土記』の波加村の条では、伊和大神より先に到着した神として描かれます。
出典:播磨国風土記

現代語解説

『播磨国風土記はりまのくにふどき』は、播磨の土地の名と由来を伝える記録です。揖保郡香山里の条では、伊和大神が国を占めた時に鹿が山の峰に立ち、その峰が墓にも似ていたことから、土地を旧く鹿来墓かぐはかと呼んだと説明します。その後、道守臣が宰となった時に、香山へ改名されたと記されています。

宇禾郡雲箆里の波加村の条では、国を占める場面で天日槍命が先に到着し、伊和大神が後から到着したと記されます。大神が先を越されたことを怪しんだ言葉が、村名の説明につながります。二つの記録はそれぞれの土地の名を説明する短い地名説話であり、別々の場所の出来事を一つの連続した冒険譚に組み替えるものではありません。

ここで扱うのは古典資料に残る記録です。古代の出来事を証明する史実や、現在の神社・祭祀・地域の営みを一律に説明するものではありません。また、資料に現れる別の神名と伊和大神を同一視する説についても、このページでは断定しません。

深く知る

出典を確かめる

本文中の説明ごとに、根拠となる資料と該当箇所を示します。

記録

香山里に記される伊和大神

揖保郡香山里の地名説話では、伊和大神が国を占めた時に鹿が山の峰に立ったことが、旧称「鹿来墓」の由来として記される。
  1. 揖保郡・香山里播磨国風土記全文掲載可/著作権情報:PDM(国立国会図書館デジタルコレクション)

記録

波加村に記される国占め

宇禾郡雲箆里の波加村の説話では、国占めの際に天日槍命が先に到着し、伊和大神が後から到着したと記される。
  1. 宇禾郡・雲箆里の波加村播磨国風土記全文掲載可/著作権情報:PDM(国立国会図書館デジタルコレクション)

神の説明

伊和大神

播磨の土地を占めた神として語られます。『播磨国風土記』では国を占める場面や地名の由来に登場します。大国主神など別の神との同一視は、この記事では断定しません。
  1. 揖保郡香山里・宇禾郡雲箆里波加村播磨国風土記全文掲載可/著作権情報:PDM(国立国会図書館デジタルコレクション)

神の説明

天日槍命

播磨の土地をめぐる物語に登場する神です。『播磨国風土記』の波加村の条では、伊和大神より先に到着した神として描かれます。
  1. 宇禾郡雲箆里波加村播磨国風土記全文掲載可/著作権情報:PDM(国立国会図書館デジタルコレクション)

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