海上に現れた島で、五頭龍が弁才天と向かい合う、真名本『江島縁起』をもとにした創作イラスト。

物語 ・古典原典

江島縁起の五頭龍と弁才天

エノシマエンギノゴズリュウとベンザイテン

真名本『江島縁起』 神奈川県

真名本『江島縁起』に沿って、深沢の湖にいた五頭龍と、江の島に現れた弁才天の物語を紹介します。

代表的な物語

物語

昔、深沢と呼ばれる湖に、五つの頭を持つ龍が住んでいました。龍は山崩れや洪水を起こし、やがて近くの村へ出て、子どもを襲うようになりました。村人たちは、長く続く災いに苦しめられます。

その後、海上に島が現れ、そこに天女が降り立ちました。その姿は弁才天だと伝えられます。五頭龍は天女のもとへ渡り、妻になってほしいと願いました。しかし弁才天は、人々を苦しめ、命を奪う龍とは一緒になれないと断ります。

五頭龍は、自分がしてきたことを改めると誓いました。これからは人々に災いをなさず、殺生もしないと約束します。弁才天はその誓いを受け入れ、二人は結ばれました。

五頭龍は南を向く山となり、龍口山と呼ばれたといいます。かつて災いを起こした龍が悪行をやめると誓い、山の姿になったところで物語は終わります。

概要

真名本『江島縁起』に記された五頭龍譚では、湖に住む龍が村へ災いをもたらし、海上に現れた弁才天との出会いを経て、悪行をやめると誓います。最後に龍は山となり、龍口山の由来が語られます。

登場する神

どのような神なのか、物語での役割や司るものを出典に沿って紹介します。

現代語解説

この記事は、真名本『江島縁起』の筋を研究論文が要約した内容に基づいています。『江島縁起』には真名本と仮名本があり、本文系統によって構成や加筆部分が異なります。後代の仮名本、江の島・腰越の天王祭にまつわる地域伝承は、ここで紹介する筋とは別に扱います。

五頭龍が実際に災害を起こしたことや、龍が地形に変わったことを史実として述べるものではありません。縁起の物語として、弁才天の拒絶を受けて龍が行いを改める構成を紹介しています。

深く知る

出典を確かめる

本文中の説明ごとに、根拠となる資料と該当箇所を示します。

異説・解釈

S01 pp.437–438、諸本比較研究

真名本と仮名本は別系統であり、筋や加筆箇所を区別する必要がある。
  1. S01 pp.437–438、諸本比較研究池内泰「神奈川県・江の島における天王祭の成立とその背景」事実要約可/独自要約・文章画像の転載なし
  2. S01 pp.437–438、諸本比較研究田中亜美「江島縁起と弁才天信仰―本文の検討と諸本の比較研究―」事実要約可/独自要約・文章画像の転載なし

神の説明

弁才天

江島に降り立ち、災いをなす龍に改心を求める女神です。この記事で扱う『江島縁起』の筋では、五頭龍が殺生と災いをやめると誓った後に、その求婚を受け入れます。
  1. 438頁/PDF 5頁・真名本『江島縁起』の要約池内泰「神奈川県・江の島における天王祭の成立とその背景」事実要約可/独自要約・文章画像の転載なし

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