阿摩美久が土と草木から海上に島を築く伝承を象徴した情景。

物語 ・古典原典

アマミクの島づくり—『中山世鑑』の創世神話

アマミクノシマヅクリ

『中山世鑑』巻一「琉球開闢之事」・1650年成立 沖縄県

天帝の命を受けた阿摩美久は、土石や草木を地上へ運び、島々を作ります。『中山世鑑』巻一に記された創世の物語です。

代表的な物語

物語

昔、天城に阿摩美久あまみくという神がいました。天帝は、神が住むべき場所があるのにまだ島になっていないと告げ、阿摩美久に地上へ降りて島を作るよう命じます。

阿摩美久が降りて見ると、東の海の波は西へ打ち越し、西の波は東へ打ち越していました。地上はまだ島になっていません。阿摩美久は天へ戻り、島を作るために土石と草木を授けてほしいと願います。天帝からそれらを受け取ると、阿摩美久は地上へ持ち下り、島々を作りました。

長い年月が過ぎても人がいなかったため、阿摩美久は再び天へ上り、人の種を願いました。天帝は男女一組の御子を地上へ下します。二人は並んで暮らし、男女が交わることはありませんでしたが、行き来する風を縁として女神が身ごもり、三人の男児と二人の女児を産みました。

長男は国主、次男は諸侯、三男は百姓の始まりとなり、二人の娘もそれぞれ祭祀を担う人々の始まりとして語られています。

概要

『中山世鑑』は17世紀に琉球王府が編纂した歴史書です。この記事は、巻一「琉球開闢之事」に記された一つの創世神話を独自に再話しました。沖縄各地の創世伝承や現在の信仰を一つの話にまとめるものではなく、島の成立や王統・身分の歴史的事実を示す資料としても扱いません。

登場する神

どのような神なのか、物語での役割や司るものを出典に沿って紹介します。

現代語解説

この話では、島づくりの神・阿摩美久と、天帝が下した男女の御子が別の役割を担います。三男二女の系譜は、王府の史書が国主や諸侯、農民、祭祀者の起源を説明する語りです。具体的な祭祀や御嶽の案内は行わず、史書に残る筋に限って紹介します。

深く知る

出典を確かめる

本文中の説明ごとに、根拠となる資料と該当箇所を示します。

神の説明

阿摩美久(アマミク)

琉球の島々をつくる創世の神です。『中山世鑑』では天帝の命を受け、土石や草木を地上へ運びます。沖縄各地の創世伝承を一つにまとめた説明ではありません。
  1. 巻一「琉球開闢之事」冒頭・阿摩美久の降下と島づくり『琉球国中山世鑑』巻一「琉球開闢之事」事実要約可/古典本文の独自再話(デジタル画像・翻刻は不使用)

神の説明

天帝

天から島づくりを命じ、人の始まりをもたらす存在です。『中山世鑑』では阿摩美久に土石や草木を与え、後に男女の御子を地上へ下します。
  1. 巻一「琉球開闢之事」・天帝の命と男女の御子『琉球国中山世鑑』巻一「琉球開闢之事」事実要約可/古典本文の独自再話(デジタル画像・翻刻は不使用)

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